太田智之『債券運用と投資戦略』

タイトルの通りで、テーマのひとつは債券運用に際して、そのバリューを、利回りをどう計算しますか、という問題について。価格は市場で売買されている限りは自動で算出されるけど、債券のクーポンと、現在の市場金利を鑑みたとき、その価格は割高なのか、割安なのか、また適正価格はどこにあるのか、はどう考えればいいのか。これは常に問われてくるし、債券の問題はほとんどそれに集約されるとも言える。

もうひとつは、それらをまとめたポートフォリオはどう認識すればいいんだろうか、という問題。

話題を幅広に取り扱って、ひとつひとつの説明が薄い、というタイプの本だが、入門書ではない。金融業界は、怪しげなテクニカル分析本を除くとあまり出版点数が多くないため、5年前以上前に出た本も平気で書店に並んでいるが、一方で毎年のように規制が変わるので、きちんとアップデートされてる本は入手せざるを得ない。

しかしどうしてか、数式の導出方法や、その計算の理屈がきちんと書いてある本は、洋書か翻訳ものしかない。

 

債券運用と投資戦略 【第4版】

債券運用と投資戦略 【第4版】