安全保障

吉次公介『日米安保体制史』

大体にして日米安保の歴史と言ったとき、その概念は多義的なのである。単純に安保を条約としての文言と捉えるのなら、歴史とはせいぜい成立と、改正以上の情報はありえない。しかし体制史と言うとき、恐らくそこには日米安保だけでなく、それによって成立し…

グレアム・アリソン『米中戦争前夜 新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』

グレアム・アリソン『決定の本質』は名著だった。初版も第二版も読んだはずなのだが、初版を読んだのがはるか昔であまり違いについては言及できないものの、読んだときのドキドキワクワク感は忘れられない。どうしてキューバ危機はああいう形になったのか、…

小倉和夫、康仁徳『朝鮮半島 地政学クライシス 激動を読み解く政治経済シナリオ』

前回、ウォルツ、セーガン『核兵器の拡散』についてのエントリを書いてから、引き続き我が国の西方が騒がしいままである。 と言っても、ほとんどが我が国を飛び越してやり取りされているので、東西に挟まれて我が国はなすすべなく、手で頭を押さえてしゃがみ…

スコット・セーガン、ケネス・ウォルツ『核兵器の拡散』

最近、何やら我が国の西の方で、核兵器の話題が騒がしい。 ところで国際関係論の世界で核兵器の話題と言ったら、核抑止の話か、核拡散の話の二択に大別できる。しかし実質的には同じ話題かもしれない。 そもそも核についての話題は通常戦力とどう "質的" に…

ロバート・ジャーヴィス『複雑性と国際政治』

ブクログ救済プロジェクト実施中です。 やや補筆しました。 複雑性と国際政治―相互連関と意図されざる結果 作者: ロバートジャービス,Robert Jervis,荒木義修,泉川泰博,井手弘子,柿崎正樹,佐伯康子 出版社/メーカー: ブレーン出版 発売日: 2008/03 メディア:…

ケネス・ウォルツ『国際政治の理論』

もー、以下のリンク見てください。としか。 (ウォルツ『国際政治の理論』(1) - It’s Not My Blog Title) 何回かに分けて書いていますので、かなり長いですが。 こっちのブログは最近お休み中です。不思議とアクセス数はたくさんあるようなのですが。何か書…

黒崎輝『核兵器と日米関係 ─アメリカの核不拡散外交と日本の選択1960-1976』

1. シンゴジラ評論から twitterで著名のMValdegamas氏(旧・スースロフ氏)が、ブログ(シン・ゴジラ論のあとのシン・ゴジラ論 - Valdegamas侯日常)で書いたシン・ゴジラ評。政治史、外交史的な立場から評論した数少ないエントリーとして、ネット界隈で注目…

石動竜仁『安全保障入門』

twitterで有名なdragonerさんがついに安全保障の入門書を新書で出した。 そもそもの彼の印象としては、ミリタリー界隈の人。私はあまり大きく専門が被る印象ではなく、安全保障「も」やっている人、というイメージ。コミケ90にて、同人誌『シン・ゴジラから…