冷戦史

宮下雄一郎『フランス再興と国際秩序の構想 第二次世界大戦期の政治と外交』

本書は、サントリー学芸賞(2017年)を受賞した。政治学を専門にする人間にとってはトップに属する権威を有しており、受賞者は錚々たる面々が並んでいる。基本的には本格的な研究書に贈られるものであり、本書は慶應大学に提出された博士論文をベースとしてい…

村田晃嗣『アメリカ外交 苦悩と希望』

トランプ氏が大統領選に勝利してからというもの、彼の今後の政策がどう出てくるのか、各長官の情報についての噂が出る度に大袈裟なまでに報道がなされている。大統領選で彼が主張していたスタンスと選ばれている人材にいったい整合性があるのか、あの選挙中…

黒崎輝『核兵器と日米関係 ─アメリカの核不拡散外交と日本の選択1960-1976』

1. シンゴジラ評論から twitterで著名のMValdegamas氏(旧・スースロフ氏)が、ブログ(シン・ゴジラ論のあとのシン・ゴジラ論 - Valdegamas侯日常)で書いたシン・ゴジラ評。政治史、外交史的な立場から評論した数少ないエントリーとして、ネット界隈で注目…

ジョン・L.ガディス『冷戦』

前の記事で、dragoner氏の『安全保障入門』についてレビューした。そこで、やや歴史の叙述に難があった旨を書いたが、確認のために冷戦史入門として本書を読み返したところ、やっぱり面白かったのでここで紹介したい。 本書はこれまで、第二次世界大戦後のた…

O・A・ウェスタッド『グローバル冷戦史 第三世界への介入と現代世界の形成』

ブクログに書いていたけど、もうブクログを使っていないので、こちらにそのまま輸入した。 世の中に「アメリカは嫌いだ」という日本人は思いの外たくさんいるよう見受けられるが、一体全体どういう訳かと訊くとそれはあたかも陰謀論めいていることがままある…