池内恵『【中東大混迷を解く】シーア派とスンニ派』

池内恵先生によるブックレット企画。企画から池内先生が積極的に関与しているらしく、二年前に同じく新潮選書から出た中東大混迷を解くシリーズの二冊目になる。その前にも新潮選書では出してるので実質的には三冊目である。 正直言うと、あまり触れたくない…

藤枝雅『飴色紅茶館歓談』

Kindleで買ったはいいけど、容量の都合上、泣く泣く削除を繰り返していて、供養のために記録を残しておこうシリーズパート2。 あまり読み込んでないので感想もないのだが、これは百合姫に連載されていた作品で、紅茶の喫茶店を営む芹穂と、そんな彼女に恋心…

久野遥子『甘木唯子のツノと愛』

Kindleで買ったはいいけど、容量の都合上、泣く泣く削除を繰り返していて、供養のために記録を残しておこうシリーズ第一段。 作者の久野遥子というひとは、岩井俊二の「ロトスコープアニメーションディレクター」を務めたのが名を売った仕事らしく、いわゆる…

加藤節『ジョン・ロック 神と人間との間』

加藤節という人は成蹊大で教えていたことから安倍晋三に指導し、彼は授業に出てなかったのに単位を取って卒業したと暴露して一躍政権批判側で祭り上げられることになったが、政治思想の業界ではジョン・ロック研究者として著名な人物である。ジョン・ロック…

筒井清忠『戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道』

ポピュリズムが大ブームだった。 2016年頃、「2017年は政治リスクが多発する」みたいな言説が拡散したが、それは2016年の鏡像というか、Brexitとトランプ当選という想定外(と言っても世論調査では僅差だったはずだが)という事態を受けて、2017年も続くはずだ…

橋本卓典『捨てられる銀行』

金融庁が改革を進めているというのは、経済ニュースをある程度追っていれば簡単に入ってくる。Fintechを原因とした銀行不要論も合わさり、まるで銀行とは悪の親玉かのように取り扱われている。 本書は、金融庁改革の先頭に立つ森長官の考えについて、様々な…

樫木祐人『ハクメイとミコチ』

この世界は趣味で成立している。 本書は全長9cmの小人と、その他森に生きる動物たちの日常を描いた漫画である。基本的なストーリーは、小人のハクメイが同居するミコチを連れ回して、様々な住人と触れ合う日常の様が描かれている。そして、そこにいる彼らが…

押井守『誰も語らなかったジブリを語ろう』

高畑勲が死んで、あぁ素晴らしい演出家が死んだ、勿体ない、惜しい人を、だなんて呟きに一瞬だけ溢れた昨今。あなたたち、高畑作品なんて映画としては火垂るの墓くらいで、他は馬鹿にしてたんじゃないの、というもぞがゆさ(ぽんぽことか、ほーほけきょとか、…

永井均『ウィトゲンシュタイン入門』

ウィトゲンシュタインに入門してみた。 我らが(?)永井均先生による、入門本。哲学徒ではないので解釈の是非を問うつもりはないが、あの永井均の仕事、として考えるとオーソドックスな入門書になってるのではないかと思う。 冒頭の序章こそ、永井均個人が幼…

宮下雄一郎『フランス再興と国際秩序の構想 第二次世界大戦期の政治と外交』

本書は、サントリー学芸賞(2017年)を受賞した。政治学を専門にする人間にとってはトップに属する権威を有しており、受賞者は錚々たる面々が並んでいる。基本的には本格的な研究書に贈られるものであり、本書は慶應大学に提出された博士論文をベースとしてい…

ジョン・ケイ『金融に未来はあるかーーーウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実』

原題はOther People's Money、他人の金(副題 金融の実際のビジネス)。邦題は無闇に扇情的でかつダサいと思うのだが、こういうタイトルをつけないと売れないという出版社の判断なのだろう。まるで洋楽のアルバムのダサい邦題みたいだ。 さて本書は、FTなどの…

学園祭学園『嘘』

この曲が初めて世に出たのは、声優の浅沼晋太郎さんが参加する劇団bpmの舞台「TRINITY」の主題歌としてだった。その後、「アコギな夜」という学園祭学園がトリを務めるイベントで生演奏が披露された後、10月のヨルナイトフェスにて手売りでの販売が始まった…

坂上秋成『TYPE-MOONの軌跡』

みんな大好き、TYPE-MOONのこれまでの歴史をまとめた本。とても簡単にまとめられており、Wiki +α程度の情報量が収められている。情緒不安定な奈須きのこが、武内崇ほか、様々な周りの大人にプッシュされてスターダムまで駆け上がっていく様子が描かれる一方…

グレアム・アリソン『米中戦争前夜 新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』

グレアム・アリソン『決定の本質』は名著だった。初版も第二版も読んだはずなのだが、初版を読んだのがはるか昔であまり違いについては言及できないものの、読んだときのドキドキワクワク感は忘れられない。どうしてキューバ危機はああいう形になったのか、…

山田真裕『二大政党制の崩壊と政権担当能力評価 (<シリーズ>政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究)』

(自分の記憶のみを頼りに書いているので、間違っていたらごめんなさい) 山田真裕先生と言えば、最近、政治学者としてtwitterで名前を見かける方ではある。 二大政党制の崩壊と政権担当能力評価 (〈シリーズ〉政権交代期における政治意識の全国的時系列的調…

小倉和夫、康仁徳『朝鮮半島 地政学クライシス 激動を読み解く政治経済シナリオ』

前回、ウォルツ、セーガン『核兵器の拡散』についてのエントリを書いてから、引き続き我が国の西方が騒がしいままである。 と言っても、ほとんどが我が国を飛び越してやり取りされているので、東西に挟まれて我が国はなすすべなく、手で頭を押さえてしゃがみ…

スコット・セーガン、ケネス・ウォルツ『核兵器の拡散』

最近、何やら我が国の西の方で、核兵器の話題が騒がしい。 ところで国際関係論の世界で核兵器の話題と言ったら、核抑止の話か、核拡散の話の二択に大別できる。しかし実質的には同じ話題かもしれない。 そもそも核についての話題は通常戦力とどう "質的" に…

ハインライン『夏への扉』

夏が近づいてきたので、夏への扉を開いたが、来年以降は夏こなくてもいいかな、と思った。何せ暑いし。夏を満喫などするはずもないのだから、春でいい。春は良かった。春を満喫することとは花見というわけではなくて、すでに陽気が春だったと思うことで足り…

田渕直也『入門実践金融 証券化のすべて』

特別に語るべくもないというのが正直なところで、それはこういった入門書においては十分な誉め言葉として捉えてもらいたいのだが、それよりも田渕直也というひとは、デリバティブ関連の実務家向け入門書を書いている印象が強かったものだから、証券化につい…

女性声優アーティスト ディスクガイド 、 ドリカンからこむちゃへ アニソン黄金伝説!

声優の歌声にクオリティを問われるようになったのはいつの頃からか。アニソンではない、声優の歌声である。アニソンの長い歴史の中においてどこを境目にするか、は悩ましい問題だが、90年代半ばくらいを一つの時代の変節点とすることは多いのではないか。声…

太田智之『債券運用と投資戦略』

タイトルの通りで、テーマのひとつは債券運用に際して、そのバリューを、利回りをどう計算しますか、という問題について。価格は市場で売買されている限りは自動で算出されるけど、債券のクーポンと、現在の市場金利を鑑みたとき、その価格は割高なのか、割…

ロバート・ジャーヴィス『複雑性と国際政治』

ブクログ救済プロジェクト実施中です。 やや補筆しました。 複雑性と国際政治―相互連関と意図されざる結果 作者: ロバートジャービス,Robert Jervis,荒木義修,泉川泰博,井手弘子,柿崎正樹,佐伯康子 出版社/メーカー: ブレーン出版 発売日: 2008/03 メディア:…

J.D.サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』

ミスター・アントリーニに話したエピソード、主人公があることを話すのに対して、話がわき道に逸れると、「わき道!」と指摘する授業があって、それが厭で落第したが、とは言え、一貫性のない話は厭だ、という主張があって、本書における手法はそれに近い気…

ロバート・コヘイン『覇権後の国際政治経済学』

ブクログ救済プロジェクト中。 覇権後の国際政治経済学 作者: ロバートコヘイン,Robert O. Keohane,石黒馨 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 1998/08/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (4件) を見る 1980年代アメリカの…

ケネス・ウォルツ『国際政治の理論』

もー、以下のリンク見てください。としか。 (ウォルツ『国際政治の理論』(1) - It’s Not My Blog Title) 何回かに分けて書いていますので、かなり長いですが。 こっちのブログは最近お休み中です。不思議とアクセス数はたくさんあるようなのですが。何か書…

野口雅弘『官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵』

ブクログから救済。コピペ。 過去、色々なところにレビューを書いてきたので、集約したいなぁと思っています。 官僚制批判の論理と心理 - デモクラシーの友と敵 (2011-09-25T00:00:00.000) 作者: 野口雅弘 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2011/09/22…

くまなの『くま クマ 熊 ベアー』

「なろう小説」というジャンルがある。「小説家になろう」というサイトで掲載されるアマチュアの小説だ。人気作は多少の手直しの上で書籍化されるのだが、最近では完全になろうバブルが来ていて、ちょっとでも人気を博すとすぐに書籍化する。 ちなみに書籍化…

堤林剣『政治思想史入門』

堤林先生はコンスタンの専門家だが、コンスタンと聞いてピンと来るひとはほぼいないだろう。ルソーを批判したフランスの思想家で、日本語だと岩波文庫で『アドルフ』が唯一手に入れやすいものの、殆どの場合、手に触れる機会もない。アドルフ自体も文学なの…

キャロル・モンパーカー『作曲家たちの風景 楽譜と演奏技法を紐解く』

クラシック音楽をめぐる書籍は決して少なくない。大型書店に行けば楽譜コーナーも含めると広いエリアを占めていることが見て取れる。手に取ってみると、評論本も多く並んでいることが分かり、そのいずれもが、著者による己の独自の感性を活かした雑筆となっ…

オノ・ナツメ『ACCA』

ついにACCAが終わってしまった。オノ・ナツメ作品に通底する、男キャラのエロス。よく出ていたと思う。あまり武士のほうはその価値を分かってあげられないが(さらい屋とか、、、)、西洋の、鼻の高い男性キャラは何とも言えないのじゃーと涎を垂らしていた。…